変形性脊椎症

変形性脊椎症

 

変形性脊椎症とは、脊椎にある椎間板が加齢などによって変形することによって痛みやしびれなどが起こってくる病気です。軽症の場合には無症状の場合も多くありますが、症状が進み、神経根や脊髄を圧迫するようになってしまうと痛みやしびれ、運動障害などの症状を起してしまう場合もあります。

 

 

変形性脊椎症の症状

 

変形性脊椎症は背骨が変形することによって生じる病気ですが、主に頚椎と腰椎に現れます。変形性脊椎症が頚椎に現れる場合を変形性頚椎症、腰椎に現れる場合を変形性腰椎症ともいいます。

 

「変形性頚椎症」とその症状

変形性頚椎症の場合、症状がないときもありますが、手足のしびれや肩こり、首の痛み等の症状が多く起こります。頚椎の変形により頸髄が圧迫されてしまう場合には、手足が痺れたり、細かい作業が困難になったり、歩行がふらついたりすることがあります。

 

頚椎は頭を支える7つの骨から成っていて、脊椎のなかでも最も可動性の高い部分です。また両上肢の重さもかかるため、寝ている時以外は常に大きな負担がかかる部位でもあり、加齢により変形が起こりやすい部位です。また、事故による外傷などによって起こることもあります。このようにして頚椎が変形することで頸部に痛みが生じる状態を変形性頚椎症といいます。

 

 

「変形性腰椎症」とその症状

変形性腰椎症の主な症状は腰痛ですが、持続性の腰痛の場合と、慢性再発性という急性症状を繰り返す場合とがあります。変形性腰椎症の場合、起床時や動き出しに痛みが強く、動いているうちに痛みが軽減するのが特徴です。また、症状が進むと下肢のしびれや痛み、運動障害を伴うことがあります。

 

腰椎は脊椎の腰の部分にあたり、5つの骨から成っていますが、腰椎は動く範囲が広く、常に重量がかかってしまう部位であるため、負担も大きく変形や変成が進みやすい部位です。加齢により徐々に椎間板が潰れたり横に張り出してくることによって、次第に椎体が硬化したり骨棘が出てきたりと変形や変成が進み、腰痛などが起こるようになることを変形性腰椎症といいます。

 

 

変形性脊椎症の原因

 

変形性脊椎症の原因は、椎間板が加齢などによって弾力性を失って潰れたり変形してしまうことによります。また、職業やスポーツなどで椎間板に過度の負荷がかかるような運動などを繰り返してきた人に起きやすく、事故などによる外傷も原因となることがあります。

 

椎間板がてつぶれてクッションの役割を果たさなくなってくると、背骨の椎体同士がぶつかったり椎間関節がすり減るといったことが起こるようになります。それが刺激となって骨を修復する働きが過剰になり、骨棘(こつきょく)というでっばりができてしまうことで椎骨が変形してしまいます。そして、この骨棘が神経を圧迫することによって痛みが生じるようになってしまいます。

 

脊椎の中には中枢神経である脊髄が通っていて、脊椎によって守られています。さらに、脊髄から直接出ている太い神経を神経根と呼び、脊髄から分かれて椎骨の下を通るようにして分岐しています。脊椎の変形によって脊髄や神経根が圧迫されるようになると、痛みだけでなく、しびれや運動障害などの様々な症状を起すようになってきます。

 

 

変形性脊椎症の検査と診断

 

変形性脊椎症では、痛みやしびれ、運動障害などの症状が無いか、またそれらが他の病気によるものでないかなどの確認を行う必要があります。知覚検査や筋力検査、膝蓋腱反射、指の曲げ伸ばし、神経根圧迫テストなどの検査を行い、脊髄や神経根の障害がないか確認します。

 

次にレントゲン撮影を行います。椎間板が狭くなったり骨棘ができていたりするのは老化によって普通に起こる変化なので、これだけで診断を行うことは出来ませんが、変形性脊椎症以外の病気でないかの確認を行うために必要です。同じような症状がみられる病気には、脊髄腫瘍、頸椎後縦靱帯骨化症、脊椎の感染、脊髄の血管障害などがあります。

 

また、脊髄や神経根の症状がある場合には、MRIやCTが有効です。脊椎のどの部位に圧迫があるか等の具体的な診断が可能になります。神経ブロックなどの治療を行う際にも役立ちます。

 

 

変形性脊椎症の治療法

 

変形性脊椎症の治療は主に保存療法になります。治療方法には以下のようなものがあり、これらは対症療法になります。

  • 体操療法
  • 薬物療法
  • 理学療法
  • 牽引療法
  • 装具
  • 神経ブロック

 

変形性脊椎症であっても痛みがほとんど無いようであれば、そのまま様子を見ます。痛みがあっても軽症であれば、体操をしたりしてできるだけ柔軟性を保ち、悪化しないようにします。痛みがあるからといって安静にしすぎるのも、かえって症状を悪化させることがあり、注意が必要です。

 

痛みに対しては消炎鎮痛剤や筋弛緩剤などを内服したり、湿布や痛み止めの塗り薬、座薬などを使用します。患部を温めたりマッサージで柔軟にしたりする理学療法、ベルトを巻いて引っ張ることによって神経の圧迫を軽減する牽引療法なども行います。日常生活において痛みが激しい場合には、コルセットなどの装具を用いて軽減する方法も用いられます。

 

また、これらの治療方法を行っても改善が難しく痛みが激しい場合には、神経ブロックという麻酔薬を注射する方法も用いられます。これは強い痛みには有効な方法です。