半月板損傷

半月板損傷

 

半月板損傷とは、膝の大腿骨と脛骨との間にあるC型をした繊維性の軟骨である半月板が損傷することです。半月板は左右それぞれの膝に内側と外側の2つずつあり、体重の10倍ほどの加重がかかることもある膝関節のクッションの役割や、骨と骨の間で関節が滑らかに動くようにする役割、膝関節を安定させるための役割を果たしています。

 

このような半月板が損傷してしまうと、膝を動かした時に痛みが起こったり、膝の動きが悪くなったり、ひどい時には膝がロックしてしまうこともあります。また、半月板が損傷してクッションの機能が失われることで膝関節内で骨同士が直接ぶつかってしまい、関節軟骨を傷めたり変形性膝関節症になってしまうことがあります。

 

 

半月板損傷の症状

 

半月板損傷で最も多い症状は、突然起こる膝の強い痛みであり、膝に体重がかかったり、膝を動かしたりした時に起こります。また、損傷した断片が周りの組織を刺激することで炎症を起こし、膝に水が溜まったり血液が溜まったりすることもあります。

 

半月板損傷の状態によっては、膝を動かした時に何か引っかかるような感じがしたり、音が鳴ることがあります。ひどい時には、膝が突然動かせなくなるロッキング状態になってしまうこともありますが、これは半月板の裂けてしまった部分が関節に挟まってしまうことによって起こります。

 

 

半月板損傷の原因

 

半月板は、膝という大きな加重のかかる部位で荷重を分散させたりショックを吸収する役割を果たしていますが、耐え切れないほどの加重や衝撃が加わることによって損傷してしまいます。

 

半月板損傷が起こりやすいのは、スポーツなどで走りながら方向転換をしたりして、膝に体重がかかった状態で更にひねりが加わった時などです。こういった状況は、ラグビーやサッカーなどのような接触の多い競技で起こりやすくなります。強い力や衝撃が加わり、膝が本来曲がらない方向に曲がってしまうことによって、前十字靱帯損傷や側副靱帯損傷を起し、半月板損傷を合併することもあります。

 

他には、加齢による半月板の変性が進み、更に負荷が加わって損傷が起こる場合もあり、これは40代以降に起こりやすくなります。また、外側円板半月板という先天的な半月板の形状から生じる場合もあります。

 

半月版は内側と外側との二つがありますが、スポーツによる外傷では内側半月板が損傷することが多く、外側に起こる場合は外側円板半月板が原因であることが多くなります。

 

 

半月板損傷の検査と診断

 

半月板損傷の診断は、問診と触診、関節の動きや痛みの有無を確認することで、おおよその予測を立てることが出来ます。さらにレントゲン撮影で骨の位置関係や状態を確認し、MRI撮影で半月板の状態を確認しますが、これらの検査によって半月板の損傷だけでなく前十字靱帯や側副靱帯の損傷がないかどうかも確認することができます。

 

半月板損傷の状態をより詳しく確認する必要がある場合には、膝関節に小さく切開を加えて関節鏡で直接半月板を観る場合もあります。この検査はモニターで関節内部の状態や半月板の状態を直接確認することができますので、治療方針を決定するための判断に用います。

 

 

半月板損傷の治療法

 

半月板損傷の治療には保存的治療と手術とがありますが、ロッキング状態や生活に支障があるような状態でなければ、すぐに手術を選択する必要はないと言われています。まずはサポーターなどで患部を固定したり温めたり、消炎鎮痛剤や湿布で痛みを和らげたりという対症療法を行い、安静にして様子をみるのが一般的です。半月板の損傷が軽度で、血行の良い部位であれば、保存的治療で症状が改善する場合もあります。

 

保存的治療で改善が見られない場合や生活に支障がある場合、スポーツで早期に競技復帰したい場合などには手術による治療を選択します。手術には、損傷してしまった半月板を切除する方法と、裂けてしまった半月板を縫合する方法とがありますが、どちらも関節鏡を用いて行います。

 

関節鏡下半月板切除術

関節鏡下半月板切除術は、膝関節の前方の数箇所に1センチ程度の切開を加え、関節鏡を挿入して行う手術で、半月板の悪い部分のみを切除して健全な部分は残します。この手術の特徴は、手術直後から歩行が可能であることや、一週間程度で日常生活に支障が無い程度に回復するなど、回復がとても早いことです。ただ、切除した部分の半月板は再生しませんので、半月板が無くなってしまった部分はクッションの機能を失ってしまい、変形性膝関節症や骨損傷となってしまうリスクもあります。

 

関節鏡下半月板縫合術

関節鏡下半月板縫合術も、同じく膝関節に小さい穴を開け、関節鏡を挿入して行う手術です。適応となるのは、半月板損傷が軽度であること、血行の良い場所であることと、受傷から間もない状態などの場合になります。

 

この手術のメリットは、切除しないで縫合するため、半月板のクッションの機能が失われず、変形性膝関節症などのリスクが小さいことです。一方でデメリットもあり、日常生活に戻れるまでのリハビリに時間がかかること、半月板が再断裂するリスクなどがあります。