痛風

痛風

 

痛風とは、高尿酸血症が続くことによって尿酸が関節などで結晶化して関節炎を起し、激しい痛みを伴う発作を繰り返したりする病気です。その痛みは骨折よりもひどいと言われるほどで、治療をせずに放置すると痛風発作を繰り返し、ますます悪化してしまいます。

 

 

痛風の症状

 

痛風の症状で最も顕著なものは痛風発作で、足趾の関節などに強烈な痛みと発赤や発熱を伴います。尿酸の結晶は比重が重く、足部に沈着しやすいため、痛風発作は足趾部に起こることが多いですが、足関節や膝関節にも起こることがあります。

 

発作が起こる前にはチクチク痛んだり熱感があったりという前兆があって、その6時間から12時間後に痛風発作が起こることが多く、発作は3日から4日で徐々に改善し、一週間から10日で収まるという経過をたどることがほとんどです。

 

痛風発作の痛みはとても激しく、骨折するよりも痛いと言われているくらいです。そして、放置すると発作を繰り返し、症状は徐々に悪化していきます。ひどい場合には慢性の関節炎になったり、関節軟骨が痛んで関節に障害が残ることもあります。

 

 

痛風の原因

 

痛風の原因は、高尿酸血症の状態が長い期間続き、尿酸が結晶化して関節の組織に沈着することで、それによって関節が炎症を起こし、激しい痛みを伴う発作が起ります。ただし、慢性的な高尿酸血症患者が全て痛風発作を起すわけではなく、高尿酸血症の患者に何らかのきっかけがあることによって痛風発作が起るようになります。

 

痛風発作が起るきっかけの主なものは尿酸値の急激な変動で、脱水はその大きな要因になります。脱水によって血液中の尿酸の濃度が急激に上がり、それがきっかけとなって痛風発作を引き起こすことがあります。また、アルコールの飲みすぎが悪いと言われているのも実は脱水が関わっていて、さらに乳酸と尿酸の競合で血中の尿酸の処理が間に合わず、尿酸値が激しく変動することで痛風発作のきっかけとなっています。

 

他にも、激しいスポーツや物理的な衝撃なども痛風発作の原因となりますが、これは激しいスポーツなどによって死滅した筋細胞がプリン体を供給してしまうために起こります。プリン体が体内で分解されることによって、最終的に尿酸が生成されます。また、意外なことに尿酸値の急激な低下も痛風発作を起すきっかけとなるため、痛風発作時に尿酸を下げる薬を飲むことは禁忌とされています。

 

 

痛風の検査と診断

 

痛風の診断には、白血球数や血沈、CRPなどの炎症反応や尿酸値を見ます。急性の関節炎で尿酸値が高い場合には診断が容易ですが、約25%の人は痛風発作を起した時の尿酸値が正常で、必ずしも尿酸値が高いとは限りません。

 

そして関節穿刺で関節液を採取し、関節液内に尿酸結晶があるかどうかを調べます。レントゲン撮影も行うことがあり、繰り返し発症しているような場合には関節の変形や骨破壊像も見られることがあります。

 

痛風と似たような症状を起す病気には、関節リウマチ、変形性関節症、偽痛風などがあり、これらの病気との識別を行うために様々な検査が必要になる場合もあります。

 

 

痛風の治療法

 

痛風の治療には、症状の段階によってそれぞれ違った治療方法を行います。

 

痛風発作の前兆時

痛風発作の前兆としてよくある、ピリピリする感覚を覚えたという段階では、コルヒチンを内服することによって白血球の働きを抑え、発作を防いだり軽減することができます。ただし、症状が激痛に変わってからでは効果があまりありませんので注意が必要です。

 

痛風患者のほとんどは激痛が起こってから受診しますので、コルヒチンは使用される頻度が低くなっています。痛風発作を何度か経験していて、発作の前兆を感じたときには、早めに受診することをおすすめします。

 

痛風発作時

痛風発作により激痛が起こっている段階では、既に関節炎を起していますので、治療は炎症と痛みを和らげる薬剤の投与が中心になります。まずは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を投与して炎症を抑えますが、この薬は炎症の原因物質であるプロスタグランジンの生成を減らす働きがあります。

 

発作が最もひどい時期にはNSAIDsパルス療法という治療法がとられ、その日に限ってNSAIDsを1回に300mgほど3時間おきに3回まで投与します。そして翌日から1日400mg〜600mgを投与し、関節炎が消失したら投与を中止します。

 

腎機能障害や胃潰瘍などによってNSAIDsが投与できない場合には、ステロイド剤の投与を行います。また、NSAIDsで効果がなかったり、短期間に発作を繰り返すような患者にもステロイド剤の投与は効果的で、内服の他、点滴や筋注、関節腔内注射などでの投与が行われます。

 

無症状の時

痛風が無症状の時に行う治療は、尿酸値を適切にコントロールしながら下げていくという方法になります。急激に下げたり、発作時に下げることは、痛風発作を起したり悪化させる要因となりますので行いません。

 

尿酸値を下げる方法には、尿酸の排泄を促進する方法と尿酸の生成を抑制する方法との二通りありますが、これらは高尿酸血症になっている原因によって使い分けます。また、腎機能障害や尿路結石がある場合には尿酸生成抑制薬を選択します。

 

痛風発作の予防には尿酸値を下げる薬の投与だけでなく、生活習慣の改善が必要になります。肥満の改善はもちろんですが、アルコール類・糖類・プリン体の摂りすぎにも注意が必要です。痛風の治療は、発作時の対症療法だけでは改善せず、また発作を繰り返してしまうことになりますので、無症状の時からの治療が大切です。