膝蓋軟骨軟化症

膝蓋軟骨軟化症

 

膝蓋軟骨軟化症とは、膝のお皿の裏側にある軟骨が変形したり膨らんだり、亀裂が入ってしまう病気です。10代の女性に発症することが多いほか、ジャンプを多く行うスポーツをする人にも多く起こります。

 

また、単独で発症するというケースは少なく、膝蓋骨亜脱臼など何かしら膝蓋骨に異常を抱えている人に二次的に発症するケースが多くなります。そのため、発症するリスクが高い人は、膝関節に無理がかからないような生活を心がけることが大切です。

 

 

膝蓋軟骨軟化症の症状

 

膝蓋軟骨軟化症の主な症状は、膝のお皿と呼ばれている膝蓋骨のあたりに生じる痛みです。初期には膝蓋骨の違和感や引っかかる感じがあるだけで痛みが無いこともありますが、運動をしたり階段の昇り降りをすると痛みを感じます。

 

その他に特徴的な症状としては、膝を伸ばすときに軋むような感じを覚えたり、膝が不安定な感じがする、膝の皿を押したときに痛みがあるというものがあります。こういった症状があれば、膝蓋軟骨軟化症の可能性を考慮する必要があります。

 

膝蓋軟骨軟化症は、治療をせずに放っておいて悪化してしまうと、動かさなくても膝が痛むようになったり、立っているだけでも痛むようになってしまうこともあります。こんな状態になってしまわないよう、早めに治療することが大切です。

 

また一般的に、膝蓋軟骨軟化症は片方の膝だけに発症すると言われていますが、両方の膝に症状があっても膝蓋軟骨軟化症である場合がありますので注意が必要です。

 

 

膝蓋軟骨軟化症の原因

 

膝蓋軟骨軟化症は、膝蓋骨の裏側にある軟骨がすり減ることによって炎症を起し、軟骨が変形したり膨らんだり、亀裂が入ったりしてしまいます。膝蓋軟骨がすり減ってしまう要因には様々なものがありますが、スポーツなどで膝に大きな力が加わってしまったり、繰り返し膝をを酷使してしまたりすることで負荷がかかってしまうことは大きな要因と言えます。

 

ただし、同じ競技をする人が全て発症するわけではなく、X脚であったり、膝蓋骨と大腿骨の噛み合いが悪いなど、骨格の先天的な異常がが大きく係わっています。これらの要因があると、膝蓋軟骨の特定の部分に強い力が加わってしまうことになり、同じ運動をしても軟骨のすり減り方が全く違ってしまいます。

 

また、事故やスポーツ中に膝蓋骨脱臼を起してしまった人の場合にも、同じような状況が起こってきます。脱臼を整復して膝蓋骨を正常な位置に戻しても、靱帯が損傷したり断裂してしまうことによって、膝蓋軟骨への力のかかり方が変わってしまいます。こういったことは軟骨がすり減ってしまう大きな要因となります。

 

また、膝蓋骨脱臼に伴って、膝蓋軟骨が損傷してしまったことが原因となる場合もあります。膝蓋骨の脱臼には、骨の形が大きく影響すると言われていますので、いずれにしても膝蓋骨の形状異常は大きな要因となっています。

 

また、10代の女性に多く起こってしまうことについては、女性ホルモンの影響によって関節がゆるくなりやすいためであると言われていますが、詳しいメカニズムはわかっていません。

 

 

膝蓋軟骨軟化症の検査と診断

 

膝蓋軟骨軟化症の診断にはレントゲン撮影を行います。診断には問診や触診が重要で、膝蓋骨裏側に圧痛があるかどうかというのが大きななポイントになります。また、膝蓋骨を奥に押した状態で膝の曲げ伸ばしを行い、引っかかりやざらつきを感じるかどうかの確認も重要です。患側の足で片足立ちをしての屈伸も有効で、ポキポキと音がしたり痛みがあるかの確認も有効です。

 

必要があれば、さらにMRI撮影を行って軟骨や骨の変性や損傷があるかどうかの確認も行います。また、関節鏡検査を行うことで、直接的に膝蓋骨軟骨の形状や損傷の状況を詳しく調べる場合もあります。

 

 

膝蓋軟骨軟化症の治療法

 

膝蓋軟骨軟化症の治療は保存的治療が基本となります。多くの場合には、サポーターや装具を使用することによって患部への負担を軽減し、消炎鎮痛剤で痛みや炎症を抑えます。膝関節周囲の筋力を強化したり、ストレッチで柔軟性を高めたりすることも効果的です。

 

膝蓋軟骨軟化症の治療では、膝に負担をかけない生活を心がけることが必要になります。スポーツをしている場合には、しばらく中止したり、無理のない程度にセーブしたりと、医師に相談しながらやっていく必要があるでしょう。

 

また、膝蓋骨の脱臼や亜脱臼を伴う場合には、きちんと治療を行い、膝蓋骨を正常な状態に戻すことが大切です。脱臼によって、膝蓋骨をしっかりと固定してくれる靱帯や腱には無理な力が加わってしまいます。そのため損傷して、膝蓋骨を本来の位置に支えることが難しくなってしまい、膝蓋骨の特定部位に大きな力が加わることで、すり減ってしまいやすくなります。

 

サポーターや装具で膝を固定することで保護し、自然に治癒するのを待つ方法が主に行われますが、それで改善が見られないような場合には手術を選択することもあります。この他にも、先天的な膝蓋骨の形状異常があったり、膝蓋骨の位置に問題がある場合にも、手術を選択することがあります。

 

 

膝蓋軟骨軟化症の予防

 

膝蓋軟骨軟化症の予防には、しっかりとストレッチを行って筋肉をほぐしてから運動することや、膝サポーターを活用するなどの習慣が大切です。また、歩いたり走ったりするフォームが不自然なために膝への負荷が高まっているようであれば、専門家の指導を受けて自然なフォームに修正することも効果的です。

 

膝蓋骨が脱臼しやすい形やX脚など、膝蓋軟骨軟化症のリスクが高い方であっても、膝に無理がかからない工夫をしたり、可能な限り矯正したりすることで、発症を予防する効果が期待できます。ご自分の身体をよく理解して付き合っていくことは、長期間良い状態を保つ秘訣と言えるでしょう。