コンドロイチンの副作用と糖尿病
コンドロイチンとはもともと、「コンドロイチン硫酸」「コンドロイチン硫酸ナトリウム」と呼ばれる「ムコ多糖類」の通称です。
人体の軟骨、結合組織、粘液などに存在しています。関節痛や神経痛を軽くしてくれる効果として有名で、医薬品やサプリメントなどで手軽に取り入れられる栄養成分です。
しかし、手軽に取り入れられるとはいっても、副作用はないのでしょうか?特に、糖尿病の方にとってコンドロイチンは安全で安心できる成分なのでしょうか?
コンドロイチンが懸念された理由
血糖値に影響を与える?
一昔前までは、コンドロイチンの摂取は血糖値の上昇を引き起こすと考えられていました。なぜなら、コンドロイチンは、「ムコ多糖類」つまり糖の一種だからです。糖の一種なので、ブドウ糖を体内に取り入れた時と同じ反応を引き出してしまうと考えられてきました。
しかし、報告を見る限りでは、コンドロイチンが大きく血糖値の上昇を引き起こすといったことはないようです。ですので、基本的には糖尿病でも、コンドロイチンを摂取して大丈夫なようです。
インスリンに影響を与える?
さらにコンドロイチンには、インスリンの働きを抑えてしまう副作用があるという考えもあります。
そもそも血糖値は、インスリンという物質によってコントロールされています。インスリンがインスリン受容体に結びつくことによって、次から次へとシグナルが伝えられていきます。しかしその伝達がコンドロイチンによってストップしてしまうことがあるとされてきました。
その結果、インスリンがうまく働かなくなり、血糖値のコントロールが難しくなり、結果的には血糖値の上昇を招く可能性が指摘されたのです。
しかし、この点についてもハッキリとした臨床データがあるわけではありません。糖尿病の程度や、生まれ持った体質やそのときの体調など、様々な要素が関係してきます。ですので、糖尿病だからコンドロイチンが悪い影響を及ぼすとは、一概には言えません。
コンドロイチンの嬉しい作用
血管コントロール作用
実はコンドロイチンには、「血管をコントロールする」働きもあります。
わたしたち人間の血管は「血管新生」、つまり新たに血管をつくりだす機能が備わっています。その点、コンドロイチンはタンパク質と一緒になって、それをコントロールしてくれているということが明らかになってきました。
コンドロイチンは、人間の身体を治す血管新生を促し、病気を発生させる血管新生は抑えるという効果があるのです。
コンドロイチンは糖尿病の改善も期待できる
糖尿病は別名、「血管病」とも呼ばれています。ですので、コンドロイチンによる「血管新生コントロール作用」によって効果をもたらすのではないかと期待されています。
つまり、コンドロイチンは糖尿病にとって悪い影響を与えないばかりではなく、良い効果をもたらしてくれる可能性が高い成分であるということです。もちろん、持病がある場合には事前に医師に相談してからの摂取が一番安全ですが、コンドロイチンの作用には大いに期待できそうです。