膝が痛いときは、安静よりも運動。動かすことによる痛み予防効果とは

膝が痛いときは、安静よりも運動。動かすことによる痛み予防効果とは

膝が痛いときは、安静よりも運動。動かすことによる痛み予防効果とは

 

長年の負担が原因で膝が痛くなると、毎日の生活に不安を抱えるようになるでしょう。痛みがひどくなったらどうしよう・・・もっと動けないようになるかも、と考えると動かすことをためらい、安静にしておきたいと思うかもしれません。

 

しかし、それがかえって逆効果になる場合があることをご存じですか?

 

 

安静にしていると、膝の組織が弱くなってゆく

 

膝が痛くなるのは、関節内の軟骨が磨り減るためです。軟骨は自然に回復しないことを考えると、少しでも安静にしておくことが、痛みをひどくさせないためには大切なことと思えるかもしれません。

 

しかし、膝を動かさないでいると、さらに筋肉が弱ってしまうのです。筋肉は、膝の周りで関節をサポートする働きがあります。運動不足によって筋肉量が落ちてくると、関節にかかる負担は大きくなるでしょう。病気などで寝たきりの生活を送っていた場合、筋力の低下による膝の痛みが出てくることがあります。

 

また、膝を動かさないでいると、さらに関節が弱ってしまいます。膝は、軟骨だけでなく、筋肉や靭帯といった組織で構成されています。靭帯も動かさなければさらに柔軟性がなくなってくるでしょう。そうなると、膝を支える力が弱まり、痛みが増すばかりか動かせる範囲も狭くなってしまいます。

 

さらに、骨が弱ってくると、骨粗しょう症になる危険が高まります。骨折してしまったら、治りも遅く、今までのように歩けなくなる可能性もあるでしょう。このように、痛いから動かさないでいると、痛みがひどくなるという悪循環を招くのです。

 

そこで、適度な運動によって関節を柔らかくし、筋肉をつけることが症状をやわらげるのには大切です。

 

 

膝の筋肉をつける筋力トレーニング

 

膝の関節にかかる負担を少しでもやわらげるためには、関節周りの筋肉を強化することが効果的です。膝を支える力を強くすると、膝の安定感も増し、スムーズに曲げ伸ばしをすることができるようになります。筋肉や関節を強化できるだけでなく、膝関節の組織の新陳代謝も良くなるので、痛み成分サイトカインがとどまることを防ぐことができるでしょう。

 

膝の痛みを予防する筋力トレーニングで鍛える筋肉は、「大腿四頭筋」と「ハムストリングス」です。大腿四頭筋は太ももの前面にある筋肉で、膝を伸ばすときに使います。ハムストリングスは太ももの裏側にあり、膝を曲げるときに使う筋肉です。

 

そこで簡単にできるトレーニングから始めてみるのはいかがですか?以下に「大腿四頭筋とハムストリングスを鍛えるトレーニング法」と「ふくらはぎを鍛えるトレーニング法」をご紹介します。

 

大腿四頭筋とハムストリングスを鍛えるトレーニング法

  1. 仰向けに寝た状態で行いましょう。片方の膝を90度にまげて、足の裏をしっかりと地面につけてください。
  2. もう一方の足をまっすぐにし、そのままゆっくりと上げてゆきます。地面から10センチ程度上げましょう。
  3. その状態で5秒静止してください。その後、ゆっくりとおろします。
  4. この動作をそれぞれの足で10回程度行います。

 

ふくらはぎを鍛えるトレーニング法

  1. 壁に両手をついた状態で行います。
  2. その状態でかかとを上げましょう。
  3. つま先立ちの状態を10秒ほど維持し、その後ゆっくりと戻します。10回程度行いましょう。

 

これらの方法は比較的負荷の軽いトレーニングです。しかし、それでも膝が痛む場合は無理をせず、風呂あがりにストレッチをして、関節を柔らかくしてから始めることをおすすめします。

 

 

関節を伸ばすストレッチ体操

 

変形性膝関節症など、関節の動きが悪くなると膝周辺の筋肉が硬くなってしまいます。すると、血行が悪くなり余計に関節の動きが悪化してゆくという悪循環になるでしょう。放置していると炎症が悪化し、膝を伸ばしきることができなくなったり、正座ができなくなったりします。

 

こうした症状をやわらげるにはストレッチ体操が効果的です。太ももやふくらはぎの筋肉をゆっくりと伸ばすことによって筋肉の柔軟性を高めてゆきましょうストレッチを続けて筋肉が十分に柔らかくなってくると、関節の動きも良くなり膝の曲げ伸ばしで痛みを感じにくくなります。また、血行も良くなるので痛み成分を効果的に排出することもできるのです。

 

ストレッチ体操が筋力トレーニングと違う点は、筋力トレーニングは膝周辺の筋力をつけて膝にかかる負担をやわらげることを目的としているのに対し、ストレッチ体操は膝の動きをよくすることによって曲げ伸ばしをしやすくすることが目的であるということです。

 

 

からだ全体を動かす運動療法

 

ウォーキングやジョギング、水泳といった全身を動かす運動も膝の痛みに効果的です。特に、少ない負荷で長時間行う「有酸素運動」を心がけましょう。

 

有酸素運動は、運動中にも酸素を十分にからだに取り込むことによってカロリーを効率よく消費することができます。骨や筋肉を強くするという効果だけでなく、肥満を解消することによって膝にかかる負担を軽減するというメリットもあります。また、心肺機能も強化されるので、老化を遅らせるという効果も期待できるでしょう。

 

全身療法はメリットが多いとはいえ、筋力トレーニングやストレッチ体操よりも負荷がかかります。まずは、筋力トレーニングやストレッチ体操でからだを慣らして膝の痛みがよくなってきてから始めるとよいでしょう。

 

 

一度膝が痛くなると、なるべく動かさないようにしようと考えるかもしれません。しかし、運動不足が原因での膝痛であれば、安静にしているよりも適度な運動を行うほうが症状をやわらげるのに効果が期待できます。自分の痛みと相談し、無理のない範囲で始めてみましょう。